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OFFICIAL NOTES

消えざる炎のごとく。


 DOUBLEが巨星・筒美京平提供による「For Me」でデビューしたのが98年2月のこと。それから10年の歳月が過ぎようとしている。あの頃J-POPシーンを黒く塗り替えようとしていた沢山の歌姫たちは、何処へ行ってしまったのだろう?
 ストイックにR&Bを追求するあまり、活動の場をインディーズに移した者がいる。その一方で、ブームのうまみをしゃぶり尽くした揚句に「周囲が私をそう売り出そうとしただけで、自分は特にR&Bだけをやりたかったわけではない」というご立派な言い訳を残して転向を図った者がいることも私は知っている。
 TAKAKOのソロ・プロジェクトとして再始動後初めてのアルバム「DOUBLE」がリリースされた2000年、コメントを求められた私は「現在、スタイルとしてのR&Bは厳しい試練の時を迎えている」と言った(註・DOUBLE公式サイトで全文閲覧可能です)。あれから7年が過ぎ、その厳しさの度合いはますます高まってきたように感じる。だからこそDOUBLEが歩んできた道のりの確かさはいっそう説得力を増す。
 気がつけば、心底好きなR&Bから離れることなくメジャー・シーンに身を置き続けてきたのはDOUBLEだけになってしまった。ブレないことの何という強さよ。
まさに、別格のソウル・サバイバー、である。

 自分がオーガナイズしたイベントに来場したDOUBLEと意気投合した私がプロデュースした3枚目のシングル「BED」が世に出たのは98年の秋。初めての本人のソングライティング参加、初めてのアナログ盤リリース、初めてのラップをフィーチャーしたリミックス制作(Mummy-D)......そのひとつひとつが「前例」となってしまうことを強く意識しながら、私たちはレコード会社に提案を重ねたものだ。あの熱い時間が懐かしい。
 幸いにして「BED」はDOUBLEにとって初めてのクラブ・ヒットとなり、続く「Shake」で彼女たちは決定的な認知を得ることになる。

 DOUBLEから実に9年ぶりの仕事の依頼を受けた私は身震いを覚えた。このオファーが、目前に迫ったデビュー10周年を前提にしたものであるのは疑いようもない。ならば「DOUBLEにならできること」の先にある「DOUBLEにしかできないこと」をとことん極めてみたい。妄連想をめぐらせた。痛感したのは、「BED」の時の自分より現在のTAKAKOのほうが大人になっているということ。プロデュースやソングライティングについての深い知識と豊かな経験を身につけているのは近作を聴けば容易にわかる。
 久しぶりに会食の場を設け、TAKAKOに会った。彼女はまっすぐ私の目を見つめ、今回の楽曲制作に関わる一切を委ねたいと言う。正直、戸惑いを覚えた。セルフ・プロデュースに長けたTAKAKOが、今回は「歌うたい」に専念したいというのだ。これはただごとではない。DOUBLEの本気、を感じた。
 美味しいお酒を飲みながら、実に多くの話をした。音楽の話、家族の話、そして恋愛事情......楽しいおしゃべりはなかなか止むことがなかった。彼女と別れて乗った帰りのタクシーで、私は記憶している会話のすべてをメモに書き記した。その中には、私のプロデュース楽曲であるEXILEの「Lovers Again」を好んで聴いているという話もあった。

 そして完成したのが「残り火」である。
 TAKAKOの声の艶をまず感じて欲しい。R&Bより出てR&Bワールドを超えたボーカル表現である。これを情念という。ほかにどんな日本人女性が歌えるというのか。
 歌詞、サウンドともに「BED」の10年後の結末を踏まえ、共同作曲者に先述の「Lovers Again」でも組んだJin Nakamura氏を迎えて作った。「残り火」は「BED」のアンサーソングであると同時に、すべての冬の恋人たちに捧げるラブソングに仕上がった。
 また、曲中には遊びを入れてみた。「BED」の印象的なフレーズ「この部屋のすみでも、ずっと黙ったままでも、そばにいればわかりあえるから」をそのまま引用したのだ。SACHIKOのみずみずしい声は懐かしさと同時に新鮮な風をも運んでくれる。これは嬉しい誤算だった。R&Bシーンを代表するキャリア・アーティストであるDOUBLEにしかできない(もしくは、さまにならない)「自己楽曲のサンプリング使用」は、この曲がDOUBLEの駆けぬけた10年間の総決算的な楽曲であることを象徴している。

 静かに、しかし強く燃え上がるDOUBLEの炎。それは消える気配がない。


2007年 晩秋 松尾 潔
KC Matsuo for Never Too Much Productions
→official website


flcf-4087

「残り火-eternal BED-」
■2007.12.5 Release
■FLCF-7144 / \1,050(tax in)
2007年の最後を飾るDOUBLEのニューシングルは、ヒットシングル「BED」以来、9年ぶりとなる松尾"KC"潔氏によるプロデュース! M-1のバラードに加え、カップリングには最新オリジナル・アルバム「Reflex」に収録の「Winter Love Song」のリアレンジVer.を収録予定。



OFFICIAL NOTES  必見 著名人による ダブルオフィシャルノーツ 松尾 潔   消えざる炎のごとく。 池上尚志 SUMMERTIME feat.VERBAL JAM ROCK THE PARTY 松尾潔 BIRD'S EYE 内村順一 DOUBLE HISTORY


 




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